「ゆっくり急げ」という言葉がある。 これは、2000年以上前に初代ローマ皇帝アウグストゥスが好んで使った言葉らしい。
この言葉が、現代まで残っているのは、 人類はいつの時代も、たいてい急ぎすぎて失敗することが多いということなのだと思う。
日本においても、「急がば回れ」とか、「急いては事を仕損じる」のようなことわざがあるけれど、 「ゆっくり急げ」という言葉は、急ぐことも重要と言っているのが違いだ。
単にゆっくりやれば良いというわけではないという部分が、 絶妙な表現で個人的に結構好きな言葉だ。
「ゆっくり急げ」は、開発現場でも役に立つかもしれない。 プログラミングは、急ぎすぎても、ゆっくりすぎても失敗する。
プログラミングでは「ゆっくり」は以下を意味するかもしれない。
- 読みやすいコードを書く
- ユニットテストを書く
- リファクタリングを行う
- ドキュメントを整備する
- CI/CDを導入する
その意味では、「急げ」は次のように解釈できそうだ。
- 早めにリリースする
- 早めにユーザーのフィードバックをもらう
- 必要最小限な機能を実装する
- 無駄な抽象化を行わない
コードの品質もリリース速度もどちらも大事というのが 「ゆっくり急げ」ということになる。
僕はある程度プレッシャーがなければ、「ゆっくり」作業する方に偏りがちだけれど、 ただ、時間的なプレッシャーがかかると、品質どころじゃなくなって、急ぎすぎてしまうこともある。
余裕がないときこそ「ゆっくり」、余裕があるときは「急げ」の精神で、 普段から「ゆっくり急げ」を意識したいと思う。