【振り返り③】社内スタートアップの挑戦: 0→1のプロダクト開発

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2024年10月17日
Junichi Sato
【振り返り③】社内スタートアップの挑戦: 0→1のプロダクト開発

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僕は元々プログラミング自体が目的みたいなタイプだったので、 実際のアプリ開発、サービス開発にあまり興味がなかったのだけれど、 社内ハッカソンに参加したことがきっかけで興味を持つようになった。

ヤフーでは毎年Internal Hack Dayという社内ハッカソンがあり、 社内だけの人間で、2日間かけて自由に新しいプロダクトを作って発表するイベントがある。 僕は退職するまで毎年このイベントに参加していた。 当時、ヤフーでの最大の業務はハッカソンに参加することですとチームミーティングで冗談で言っていた気がする。

僕の中では、プログラミングは一人でやるか、もしくは大人数で取り組むことが多かったのだけど、 ハッカソンでは、小さいチームを作って、自分たちのアイデアを実現するものなので、 普段やっていることとは違う楽しさがあった。

3回目の挑戦では、良い仲間に恵まれ、類似画像検索のサービス「ウユニ塩湖に行きたいんやが」を作り、 入賞することができた。 これは海外の観光スポットの画像に似た近場の観光地を提案してくれるサービスで、 予想以上に高性能なサービスが完成し、ヤフーのテックブログでその取り組みが紹介された。

ハッカソンが終了した後も、同じチームでさらに何か新しいものを作りたいという話になり、 ソフトバンクグループのソフトバンクイノベンチャーという新規事業立ち上げのためのプログラムに応募し、 そこに出向して新規事業に挑戦することになった。

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ソフトバンクイノベンチャーでは、「BAKOON!」というエクササイズサービスを作っていた。

BAKOON!

これは、アプリ上にライブ配信の機能を実装して、アイドルと一緒にエクササイズをするサービスで、 モーションキャプチャ機能などを使って運動量を可視化したり、スタンプでコミュニケーションを行うサービスだった。

BAKOON!はReact NativeとFirebaseを活用したサービスで、技術的な取り組みは以下の書籍で詳しく紹介されている。

このサービス以前では、これまで本格的なモバイルアプリ開発の経験がなかったので、 モバイルアプリ開発、WEBフロント開発も初めての経験だったのだけれど、 基礎から学びつつ、なんとかリリースまでこぎつけることができた。

あと、エンジニアも含めてプロダクトについて議論したり、 マーケティングやビジネス面のKPI部分の設計なども考えていたので、 単純にプログラミングだけでなく、プロダクト全体を考える経験ができた。 ビジネスやマーケティングは思ってた以上にデータ分析的で、自分の数学的知識とかを活かせるなと思った。

リリースして1年くらい運用し、いろいろ頑張ったのだけれど、結局サービスはクローズしてしまった。 ただ、0→1でサービスを作った経験によって、僕がプログラミングでどういうことをしたいのかという部分が変化したと思う。 プログラミングそのものの楽しさよりも、アイデアを自分で決め、それを実現するものづくりが楽しいと感じるようになった。

自分でプロダクトを作るという新たな目標が生まれ、 フリーランスとして独立することになった。


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